暮らしのコラム

2016/1/29

LOHAS(ロハス)という名のトレンドを追う

2004年に日本でブームを巻き起こし、関連書籍やインターネット記事、広告などを頻繁に目にする機会が増え、近年では「自然を取り入れたおしゃれでヘルシーなイメージ」など定義が曖昧なバズワードとして、エコロジカルな商品の宣伝文句に定着した感のあるLOHAS。
では、LOHASとは一体、どのようなものなのでしょうか。

 

LOHASって何?

もともとLOHAS (Lifestyles Of Health And Sustainability)とは、アメリカの心理学者であるポール・レイ氏とシェリー・アンダーソン氏が提唱した人間の新しいライフスタイルです。
 
地球の環境保護と人間の健康を最優先することで持続可能な社会生活を心がける意味合いを持っています。
LOHASは1990年後半にアメリカ中西部に位置するコロラド州で生まれ、またたく間にアメリカ全体へと広まり、全米の26%がLOHASな生活を送っていると発表されています。
 
日本では2004年ごろからLOHASなライフスタイルを心がける人々があらわれ、従来の産業構造にとらわれないクリエイティブな仕事や企業が増え続け、LOHASという概念が確立されました。

 

LOHASとECO

誕生からわずかのうちに世界中へと広まったLOHASですが、この背景には地球の環境問題が深く関わっています。
生産と消費を繰り返すことで先進工業国は便利さと豊かさを手に入れることに成功しました。
しかし、この行為は年々深刻化する環境汚染や地球温暖化などの環境問題を引き起こす原因となり、私たちは大いなる危機に直面してしまいました。
このような地球の危機に気づいた国や企業が、環境問題の改善に向けて、国際的に取り組むためにLOHAS的な考えを推奨し始めたことが、私たちの生活にLOHASが広まった理由のひとつと考えられます。
 
環境問題を考えて地球にやさしい活動をするといった意味では、ECO活動と似ています。
ただし、「地球環境のために」というECOに対して、LOHASは「自分自身に負担をかけず無理なく続けていく」という考えである点で従来の環境保護の意識とは異なっています。
例えば生活を便利にする電化製品などを「我慢して買わない」のではなく、地球にやさしい商品を選ぶといったことです。
LOHASは消費活動を否定せずに、消費活動の過程において地球と家族にやさしい商品を選択することで、持続した地球保護の活動としていきます。
地球環境にもやさしく、日々の生活が心地よくなる行動を続けることが、LOHASな生活と呼べるでしょう。
 
そして、この「続ける」という持続性こそが、LOHASの本質になっています。

 

LOHASは「家族のために」

持続性を重要視するLOHASは、「~しなければいけない」「~するべきだ」といった強制的なものではなく、あくまでも「自分が心地よいからする」といった自主的な環境保護活動です。
このような考えでLOHASの概念にのっとり環境保護活動をする人々が増えてきたことで「LOHAS層」という言葉も誕生しました。

 
このLOHAS層と呼ばれる人々は、山積みになっている社会的問題への関心が非常に高く、問題解決に向けて積極的に取り組んでいます。また、風力・地熱などの再生可能なエネルギーを活用する商品を使用することで自分のライフスタイルを社会的な課題を解決するものへと変化させています。
 
近所付き合いが乏しいとされている現代においても、率先して地域活動に参加をしてまちづくりや地域に残された豊かな自然や伝統文化などを守るために活動しています。それだけでなく、彼らは健康への意識も高く、自分や家族の健康のために環境に気を使って、身体によいという物を好みます。
このようにLOHAS層と称される人々は、社会や環境への関心に加えて、健康への関心も深く持っており、その関心の裏には、「家族のために」という思いやりが存在しています。

 

地球環境にも、サイフにもやさしいLOHAS

LOHASな生活に切り替えていくためには、普段の生活のなかで消費と生活のつながりを意識し、無理せずにシンプルで豊かな生活にする取り組みが必要です。
これまでの生活をLOHASなスタイルへと切り替えていくことは難しいようにも感じますが、持続性を意識して取り組めば、自然にLOHASなライフスタイルが身に付き、さまざまなメリットもあります。
 
例えば、自動車の使用を控え、自転車でエコライフを心がけたとしましょう。
そうすれば、自動車を使わないので排気ガスが排出せず、環境保護につながり、その上ガソリン代の節約にもなり、まさに一石二鳥です。
それだけでなく、自転車にのることで日頃の運動不足も解消されることでしょう。このようにLOHASな生活に切り替われば、家族の健康や経済的なメリット、精神衛生的なメリットもあり、結果として生活が豊かになってきます。
 
つまり、環境保護活動をすることが自らの生活を豊かにすることにつながり、自分の生活に負担をかけることなく、環境にもやさしいLOHASなライフスタイルへと切り替わっていくのです。

 

LOHASは、心地よい社会への道標

LOHASの基本は、決して無理をせず自分に負担をかけないことです。
負担を感じて、我慢しながら健康や環境に良い行動をしても、それはLOHASと呼ぶことはできません。
健康や環境に良い行動を取ることで、自分にとっても心地よいと感じられるのが本当のLOHASです。
 
ライフスタイルがLOHASに切り替わってくれば、今までは感じることの無かった心地よさを感じることができるようになってきます。
つまり、生活がLOHASになればなるほどに、自分の楽しみが増え、その楽しみが社会貢献へとつながっていくことはLOHASだからこそ、感じることができる最高の贅沢ではないでしょうか。
 
地球環境への影響を省みずに自分たちの利便性だけを追求した結果、環境汚染をはじめとする環境を抱えてしまった私たちですが、ライフスタイルをLOHASに切り替えて健康と環境にやさしい生活を心がければ、徐々に地球の環境もよくなり、本来の美しい姿を取り戻す事は間違いありません。
LOHASとは、私たちが心地よい社会を持続して生活していくための道標であり、同時に地球環境を救うためにできたトレンドになっているのです。