暮らしのコラム

2018/6/22

民泊を知る(9)民泊新法施行の影で・撤退サービスとは

6月15日より施行された「民泊新法」。
民泊予約サイトとして利用されているAirbnb(エアビーアンドビー)では、利用者が急激に減少したと報じられています。
これは「民泊新法」施行によりルールが厳格化され、事業者の届出番号のない無許可のホストが
一斉に閉め出され、予約を受け入れる事が出来ない事態となったため。
既に予約済みの場合でも、受け入れ先が無許可の場合は、
予約がキャンセルをされる事になり、大きな混乱を招いています。

これまで紹介してきたように、「年間180日まで」という営業規制が、
「ビジネスとしての民泊」を妨げていると考えているホストも多く、
そのほかルールの厳格化もあり、事業者の届出は新法施工の1ヶ月前で約720件に留まっていました。

東京オリンピックや地方活性化へ向けた「民泊」であったはずが、
提供者・利用者ともにハードルの高いものになっているようです。

 

 

民泊撤退サービスとは何なのか

合法的に民泊サービスを展開出来るホストが増えるはずの「民泊新法」ですが

(1)届出に際し提出する書類が多い
(2)消防法令に沿った施設(スプリンクラー等)の準備
(3)年間180日までしか営業が出来ない(利益が出せない)
(4)マンション管理組合の規定の変更
(5)近隣とのトラブル
(6)競合相手の増加

といった事から運営のメリットを見失い、民泊をやめる選択肢をするホストが増えています。

 

そんな中盛り上がりを見せるのが「民泊撤退サービス」です。

「民泊撤退サービス」とは

◎部屋の中の家具すべてを処分代行するサービス
◎脱民泊をした部屋で家賃収入を得られるよう転貸・運営するサービス
◎時間貸しスペースとして再利用するサービス


といったものがあり、「不動産の新たなマーケット」として拡大の動きを見せています。
また、撤退を望む民泊物件を、簡易宿泊施設に切り替える動きもあるそうです。

 

「民泊新法」はもちろん「ヤミ民泊」での犯罪被害を抑えるためでもありますが、
施行が1年前に決定していたのにも関わらず、事業者登録が増えなかった原因は、
やはり個人間のビジネスとしては手間と費用がかかりすぎてしまうこと、
利益が出しづらいこと、という理由が多いようです。

そういった中で「民泊をやめる」選択をするホストがいることもやむを得ない事象ですが、
長年問題なく外国人観光客を受け入れ、運営してきたホストにとっては、苦渋の決断と言えるでしょう。

 

「民泊運用」は空き家対策や宿泊施設不足の緩和、
地方活性化へ向けたインバウンドビジネスとして注目されてきましたが、
今後は個人ではなく、地場企業が運営するケースで大きく注目を集めそうです。

 

 

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