暮らしのコラム
2018/2/28
マンション管理組合でつくるマンション管理業協会が27日に、
会員企業が業務を受託しているマンション管理組合のうち、
8割超が民泊を禁止したとの調査結果を発表した、と朝日新聞が報じた。
禁止した管理組合が80.5%に達する一方、
容認はわずか0.3%に留まり、残り19.1%は検討中か何もしないという。
民泊は6月15日の「住宅宿泊事業法(民泊新法)」から全面解禁され、
住宅地にあるマンションなどでも宿泊可能となる。
部屋の広さ、設備など種々条件はあるが、都道府県などの地方自治体に届け出れば誰でも貸出が可能。
(1)民泊新法はエリアを限定していない
(2)規約の改正は3月15日までに
(3)独りよがりでは民泊は成り立たない
旅館業法に基づき、これまでもマンションでも民泊を行う事は出来たが、商業エリアなど地区が限られていた。
北九州市の特区民泊では、既存のホテルや旅館との競合を避けるため、
ホテルや旅館を建設出来ないエリアに限定し、ホームステイ型民泊をすすめていた。
民泊新法では住居専用地域での営業を可能にし、
エリアを限定していないため、住宅街などでもはっきり意思表示をしておく必要がある。
「何も取り決めをしていない場合」=「禁止する意思がない」と
自治体にみなされれば民泊が可能となってしまうのだ。
今回の民泊新法では、民泊を営みたい人の都道府県などへの届け出が、3月15日から始まる。
そのため3月15日までに規約を改正し民泊禁止を明記すれば、戸別の届け出を防ぐことが出来る。
マンションであれば管理組合の理事会で、
民泊可否の決議をしておけば、届け出は不受理となるが、しておかないと前述のとおり。
自治体の判断材料になるそうなので一旦そのようにしておくのも手だ。
規約改正や決議での意思統一が出来るのは分譲に限り、
賃貸マンションなどでは借主が、貸主から転貸の許可を得て、自治体に届ける必要がある。
無許可の転貸は規約の前に、契約違反であることを十分に理解して欲しい。
また、東京都大田区や新宿区、京都市など、民泊新法に独自の「上乗せルール」を検討している地域もある。
民泊新法施行後は、違法な民泊に対する取締も罰則も強化が予想されるとのこと。
民泊で起こったトラブル、事件の報道が後を絶たないため、
マイナスな側面ばかりが目立ってしまっているが、
北九州の特区民泊ならではのホームステイ型民泊など、
やり方によっては市の魅力を発信出来る素晴らしいものとなる。
また、既存の住宅を使用すれば、初期投資が抑えられる他、
インバウンド需要を取り込んだ収益に期待出来、
空き家対策に利用出来るというメリットもあるため、一概に禁止とするのも惜しいところもある。
しかし、
と言える。
民泊を営む際は、法令を遵守するのは当然ながら、
近隣住民との相互理解をはかることが第一だ。
日本人同士ですら、騒音問題やゴミ出し問題などがトラブルの元になる。
独りよがりに儲けに走るだけでは民泊は成り立たないのではないだろうか。
北九州市HP:
北九州市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業(特区民泊)について
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/ho-huku/18901121.html
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