暮らしのコラム

2016/5/18

「届出制」で解禁?民泊を知る

厚生労働省および観光庁は今月13日、第10回目となる「民泊サービス」のあり方に関する検討会を開催しました。
第10回目となる検討会では、新たな制度枠組みとして「届出制」または「管理者の登録」で民泊が可能になる、より具体的な方向性が示されています。
 
 

そんな最近話題の「民泊」ですが、そもそも「民泊」とはなんなのでしょうか?

「民泊」とは一般の民家に泊まる、「宿泊形態」のことを指します。
殆どの場合、最初は無償で行われていましたが、Airbnb(エアビーアンドビー)のような仲介サイトの登場により、外国人観光客(ゲスト)へ一般人(ホスト)が「個人宅」や「投資用マンション」の貸出を有償で行う、新しいビジネスモデルが誕生しました。
 
2013年12月に要件を満たした民泊に対して旅館業法の適用除外を設ける「国家戦略特別区域法」を規定していますが、「国家戦略特別区域法」のみでは旅館業法の適用除外を受けることはできず、各自治体レベルでの条例・規則の制定が必要になっています。
(福岡県福岡市は平成26年5月1日に、北九州市は平成27年12月15日に戦略特区に指定されています。)
 
その後、「民泊」については多くが「旅館業法」で必要な許可を得ていない上、「旅館業法上の簡易宿所にあたる」のではないか、という議論がされており、大規模な民泊業者逮捕事件もおこっています。
 
 
東京五輪ではホテル1万室が不足とされ、深刻な宿泊施設不足に対応するためにも、政府は民泊を活用する方向で議論を進めており、「民泊」をめぐる制度見直し(全面解禁)に向けて、「旅館業法」に当てはまらない「新しいタイプの民泊新法」を、2017年の通常国会の提出へ向け調整しています。
実際に普及すれば10兆円台の経済効果があるとのことで今後の規制緩和をにらみ、すでに大手企業の参入が活発化しています。
 
 

日本経済の活性化が期待される傍ら、一般人(ホスト)が「個人宅」や「投資用マンション」に外国人観光客(ゲスト)を泊める「民泊ビジネス」は、「空き家の有効活用」や「宿泊需要の対応」などのプラスの面がある一方で、「騒音、ゴミ出し等による近隣トラブル」や「賃貸契約違反の又貸し」、「施設悪用等の危険性」など多くの問題が浮き彫りとなっています。
また、家賃収入と同じように儲けが出るため、中には悪質な「ヤミ民泊」と呼ばれるものも横行し、今後の「民泊」を巡る動きは注目されています。
 


さらに戦略特区内にある区分所有マンションで民泊を実施する場合は、マンション規約の改正が必要とされていましたが、規制緩和で民泊を広げたい政府内で意見が対立している状態です。
 
そんな中、Airbnb等を利用した貸し出しの禁止を定めた管理規約第12条4~7項を公開したマンションも話題となり、自分たちの資産を守るための動きも活発になっているようです。
分譲マンションの住民においては管理規約の改定等の検討の参考になりそうですね。
 
 
 
デメリットばかりが目につくようですが、「民泊」には前述のとおり、メリットも多いため、引き続きその他も含めた「健全な民泊サービスの普及」を提供するための「一定の要件」について、十分に検討されることが期待されます。
 
 

(2016.05.20:記事を一部修正しました)